サワードウの用語集
サワードウ初心者の方々向け、用語集を作成しました。ご参考になれば幸いです。
◾️サワードウ スターター関連◾️
サワードウ スターター
小麦粉と水を混ぜ、野生酵母と微生物を使って作る「パン種」を指し、ドライイーストの代わりとなるもの。詳細はこちらをご確認ください。
フィーディング
サワードウ スターターをパンを焼くために準備する(アクティブにする)ために、スターターにエサを与える(フィードする)ことを指します。スターターのエサとなるのは、小麦粉と水です。
捨て種
サワードウ スターターをフィードする際に使わなかった分が捨て種となります。
例えば、150gのサワードウ スターターがあるとします。そこから20gだけを取って新たにフィードするとしたら、その差130gが捨て種となります。通常フィードする際は、スターターよりも小麦粉と水の量が多いので、150g全部を使ってフィードしてしまうと、膨大な量のスターターができてしまいます。そして、酸味も増してきます。
『捨て』とは言いますが、決してゴミ箱に捨てるわけではなく、様々なレシピに使えますので、保存瓶に入れて、冷蔵庫で保管して下さい。
フーチ
サワードウ スターターがしばらくフィードされていなかった時にスターターの上部に現れる水分を指します。水とアルコール発酵の副産物で、スターターがエサを必要としていることを表します。また、入ってほしくない微生物が入らないようにスターターを守る役割も果たしています。次にフィードする前に、水分だけ取り除き、フィードして下さい。かき混ぜてしまっても問題はありませんが、スターターの酸味が増し、次に焼くパンがより酸味を得たものとなります。
フローティングテスト
グラスに水を入れ、かき混ぜていないアクティブなスターターを一匙分落としてみて、浮いたらスターターの使用準備ができていて、沈んだらまだ使えないと言うようなテストの方法を指します。しかし、使用準備のできたスターターが常に水に浮くとは限りませんので、これだけでスターターの準備ができているかどうかを判断するのは難しい物です。他のサインも考慮して下さい。気泡はたくさん出ているか、カサが2倍程度に増えているか、酸っぱい匂いがするか・・・等。
フィーディングの割合
サワードウ スターターと、新しくフィードする小麦粉と水の割合を指します。15gのスターターに60gの小麦粉と60gの水をフィードする場合には1:4:4と表します。
スターターの発酵ピーク
サワードウ スターターがもうこれ以上発酵しないというピークを迎えた時のことを言います。ピークを迎えたスターターは、その後カサが減っていきます。グルテンの結合が弱まり、生成していた二酸化炭素ガスを保てなくなることにより、スターターは萎みます。同時に、酵母がエサを食べ終えたことを意味します。
◾️生地関連◾️
オートリーズ
簡単に言うと小麦粉の吸水を指します。サワードウスターター、水、小麦粉を混ぜた時点からオートリーズが始まり、生地に弾力性が生まれます。
加水率
%で表されますが、レシピの中で使われる、小麦粉と水の割合を指します。
生地の加水率を測る簡単な方法は、水の量を小麦粉の量で割る方法です。以下に例を示します。
スターターの加水率 | 計算方法 | 加水率 % | |
簡単な計算方法 | 加水率100%のスターターを使用する場合 | 350gの水 / 500gの小麦粉 | 70% |
正確な計算方法 | スターターの加水率が100%でない場合 | 350gの水 (生地) + 50gの水 (スターター) / 500g 小麦粉 (生地) +50gの小麦粉 (スターター) | 72.7% |
バルク発酵
一次発酵を指します。生地にスターターが加えられた時点から始まり、プリシェイピング(一次成形)までがバルク発酵です。
バルク発酵が完了しているかどうかの目安はこちらからご確認下さい。
フォールディング
生地の強度を増し、グルテン形成を促すために一次発酵中に行うテクニックのことです。フォールディングを行うことで、生地の中に空気を入れることができますし、生地の具合を手で確認することができます。
ストレッチ&フォールド手法:名前の通り、生地をストレッチ(伸ばす)し、フォールド(畳む)する手法です。ボウルを1/4回転させ、4方向からストレッチ&フォールドをして1セットになります。濡れた手で、生地の一部を上方向に引っ張り、伸ばしたら、反対方向に畳みます。
コイルフォールド手法:生地を下に巻き込みながらフォールド(畳む)する手法です。濡れた手で、生地の中心部を下から持ち上げ、生地の伸びた部分を内部に畳み込んでフォールドします。ボールを半回転させ、反対側からも同様に行ったら、再度1/4回転させ、同じことを繰り返し、4方向全体から畳み込んで1セットとなります。
成形
パン生地が焼き上がった際の「最終的な形に整える」工程のことを言います。
ベンチレスト
一次成形とニ次成形の間の時間。再度成形される前に生地を休ませてあげる時間を指します。ベンチレストを行うことで、生地が裂けてしまうのを避けます。
バネトン
最終発酵をするときに用いる発酵カゴを指します。ボウルやザルで代用することも可能です。その際には、キッチンタオルやふきんなどを敷いて、最終発酵時に生地から出てくる湿気を吸収させます。
プルーフィング
ニ次発酵を指し、成形しバネトンに入れた後の発酵です。
室温プルーフィング | コールドプルーフィング (冷蔵庫) |
– 成形後、室温で生地を短時間発酵させる – 室温により、通常2−3時間 – 酸味の少ないパンに仕上がる | – 低温でゆっくり発酵させる。通常冷蔵庫で10時間以上 – 長時間発酵させることで、パンに酸味が生まれ、消化しやすくなる – 発酵時間が長ければ長いほど、パンの酸味は増し、パンの膨らみが減る |
◾️焼成関連◾️
スコアリング
焼成前に生地の表面に切り込みを入れることで、クープとも呼ばれます。こうすることで、焼成時に望まないところからパンが裂けてしまうことを防ぐことができます。
オープンベイク
蓋をすることなく、天板や石の上で焼く方法を指します。ダッチオーブンや、蓋付きの鍋を使わない焼き方です。この際、オーブン内に蒸気が必要となります。大きな入れ物に、沸騰した水を入れて、オーブンの一番下に置いたり、最近はキャストアイアンスキレットに溶岩を入れ予熱しておき、焼成時に水をかけて蒸気を発する方法を使用する方も増えてきています。
耳
サワードウブレッドの焼成中に開くクラスト部分を指します。深くスコアリングしたところから開いていき、この耳が形成されます。焼成時にスチームを加えてあげることで、綺麗な耳が生まれます。