いちじくと胡桃のサワードウブレッド
胡桃の食感といちじくの甘味で、サワードウの独特の風味を更に楽しめるパン。基本のサワードウブレッドレシピにドライいちじくと胡桃を加えただけの簡単アレンジですが、ドライフルーツやナッツ好きの方にはたまらない一品です!
アレンジを加えた分、お友達にも分けたくなるのが私の性分。大きいローフを焼くのも良いのですが、私はこのパンは等分にして焼くのが好きです!
そもそもサワードウとは?
サワードウとは小麦粉と水だけを使って培養した天然酵母のサワードウ(サワー種)スターターのことを言います。小麦というのは酵素抑制物質やフィチン酸を含んでおり、体にミネラルを吸収するのを阻害しますし、それを長い間摂取し続けると胃腸に破綻をきたし、結果として近年よく言われるグルテンアレルギーなどということが発生してしまうのです。天然酵母を使い、小麦粉を長い時間かけて発酵させることで、酵素抑制物質やフィチン酸を分解し、私たちの体がグルテンを消化しやすいようにします。つまり、サワードウで作ったパンは小麦の栄養価を吸収しやすくし、小麦本来がもつマイナス要素を排他してくれます。また、長時間の発酵の過程で、ドライイーストで短時間に発酵させたパンには出せない、深みのある味を生み出してしてくれるのです。サワードウ は私たちにとってとても有益なものと言えます。
サワードウ スターターの作り方はこちらを参照下さい。
基本のサワードウ ブレッドは捏ねるとことはせず、ストレッチ&フォールドという手法を使います。それによりグルテンが作り出され、またサワードウ ブレッド特有のエアーポケットが生まれます。
成功のカギ
- 必ずアクティブなスターターを使用して下さい。サワードウ スターターのメンテナンス方法もご確認下さい。
- 作業中は、濡れタオル、ビーズワックスラップ、サランラップなどで多い、表面が乾燥しないように気をつけて下さい。
- 生地の膨らみ具合や時間は、室温や、スターターの状況、お使いの小麦粉、また水分量によって変わってきます。
- 慣れるまでは、キッチンスケールを使って材料を測られることをオススメします。
- スコアリングは包丁ではなく、ブレードを使ったほうが綺麗にできます。スコアリングは何度もやっているうちに上達します。
必要な道具
サワードウ ブレッドの材料
- 強力粉 500g
- サワードウ スターター 100g
- 水 365g
- 塩 10g
- ドライいちじく 大4−5個 85g以上
- 胡桃 50g
サワードウ ブレッドの作り方(時間はあくまで参考までに)
ー 1日目 ー
9:00am:サワードウ スターターをフィードする
サワードウ ブレッドの材料を混ぜる4−12時間前に、サワードウ スターターをフィードします。アクティブで泡のたくさん出ているスターターを使用して下さい。
5:00pm:材料を混ぜる
100gのスターターと365gの水を混ぜ、よく溶けるまでかき混ぜます(手でも、ミキサーでもOK)。その後500gの強力粉と塩10gを加え、粉が見えなくなるまでよく混ぜます。この時点でバルク発酵(一次発酵)が始まります。ここから1時間オートリーズ法といって粉に水分を吸わせる時間を取ります。濡れ布巾やビーズワックスラップ、サランラップなどで蓋をしておきましょう。
6:00pm:ストレッチ&フォールド
ここから、ストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行なっていきます。バルク発酵の過程でも常に蓋をしておいて下さい。
ストレッチ&フォールドというのは、バルク発酵(一次発酵)の過程で行う手法です。生地の強度を上げ、グルテンを生成し、生地の温度を均一にし、内部に空気を閉じ込めます。また、ストレッチ&フォールドを行うことで、生地の発酵具合を手や目で確かめていくことが出来ます。
やり方は至って簡単です。生地を正方形と見なし、一辺を掴み、優しくひき伸ばしたら、反対の端に向かってたたみ込んでいきます。それを、残りの3辺で繰り返し、これを1セットとします。手を水で濡らしておくと、生地が手にくっつかずやり易いです。
このストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行います。
2回目のストレッチ&フォールドの際に、小さく切ったいちじくと細かくした胡桃を加えます。
4回目のストレッチ&フォールド終えてから30分後、バルク発酵(一次発酵)は完了です。生地が軽く、空気を得て見えているばOKです。倍とまではいかなくとも、生地が膨らんでいるはずです。
もし、全然膨らみや気泡などが見えなければ、もう1度ストレッチ&フォールドを実施し、さらに30分待ってみて下さい。冬場の室温が低い時には、起こり得る状況です。2度ストレッチ&フォールドを追加する必要があっても大丈夫です。また、その後長めに生地を休ませ、膨らみを待ってみて下さい。冬場のバルク発酵(一次発酵)は夏場に比べて、1時間から1時間半長くかかるのが通常です。
ストレッチ&フォールド手法の代わりに、コイルフォールドという手法を使うことも可能です。効果は同じですが、私は、ストレッチ&フォールドを2−3回行い、最後の1−2回はコイルフォールドを行います。
8:00pm(もしくはそれ以降):プリシェーピング(一次成形)
ここで、バルク発酵(一次発酵)の完了です。
ボウルから生地を出し、ボール状に成形していきます。
ボウルから出す時には、まず生地の上に少し小麦粉を振っておき、スクレーパーを使って生地を中心に集めるようにしておきます。ボウルをひっくり返し、カウンターの上に出したら、手やスクレーパーを使って、自分の方に引き寄せながら、ボール状にしていきます。
ボール状にできたら、軽く小麦粉を振りかけ、キッチンタオルを被せて30分生地を休ませます。プリシェーピング(一次成型)とファイナル シェーピング(二次成形)の間の時間をベンチレストと言います。生地を休ませ、二次成形時に生地が破れたり切れないようにするものです。
8:30pm(もしくはそれ以降):ファイナル シェイプ(二次成形)
バネトンに十分に小麦粉を振りかけておきます。
一次成形と同じ要領で、生地を一度ひっくり返し、成形します。表面を下にしてバネトンに入れ、濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせます。これをコールド プルーフィングと言います。
ー 2日目 ー
9:00am:オーブンを250℃に予熱
オーブンを予熱する際に、蓋をしたダッチオーブンも一緒に入れて温めます。少なくとも30分以上はダッチオーブンを温めるようにして下さい。
等分にして焼く場合には、ピザストーンやピザスチールが必要です。こちらも同様に予熱しておきます。
9:30am:スコアリング&焼成
オーブンに入れる直前に生地を冷蔵庫から出し、スコアリングします。クープとも呼ばれます。スコアリングとはブレードや包丁などを使って、焼成前にパンの表面に切れ目を入れておくことを言います。
カウンターにオーブンペーパーを敷き、生地をひっくり返します。茶こしやふるいなどを使って、生地の表面に満遍なく小麦粉を振りかけます。そこにブレードや包丁で切れ目を入れていきます。焼成時にそこから生地が開いていきます。
等分にする場合には(形はお好みで)、この時点で等分にしオーブンペーパーの上に準備しておきます。
こちらも同様にスコアリングしましょう。
予熱しておいたダッチオーブンにオーブンペーパーごと生地を入れ、蓋をし、250℃で20分焼きます。その後蓋を取り、オーブンの温度を200℃に下げて、さらに25分焼きます。
ピザストーンで焼く場合には、250℃で30分〜35分焼きます。オーブンによって大きく異なるので、焼き加減を確認しながら焼いて下さい。
焼きあがったら、1-2時間ほど冷ましてから召し上がれ。
その他のサワードウを使ったパンレシピ
- 基本のサワードウ ブレッド
- サワードウ イングリッシュマフィン
- サワードウ サンドイッチブレッド
- サワードウ フォカッチャ
- サワードウ トルティーヤ
- サワードウ ベーグル
- サワードウ ブリオッシュ
- サワードウ チャバタ
- サワードウ ピタ
- ハラペーニョ チェダー サワードウ ブレッド
- サワードウ バゲット
Pin it for later
いちじくと胡桃のサワードウ ブレッド
胡桃の食感といちじくの甘味で、サワードウの独特の風味を更に楽しめるパン。基本のサワードウブレッドレシピにドライいちじくと胡桃を加えただけの簡単アレンジですが、ドライフルーツやナッツ好きの方にはたまらない一品です!
Ingredients
- 強力粉 500g
- サワードウ スターター 100g
- 水 365g
- 塩 10g
- ドライいちじく 大4−5 (85g以上お好みで)
- 胡桃 50g以上お好みで
Instructions
ー 1日目 ー
1. サワードウ ブレッドの材料を混ぜる4−12時間前に、サワードウ スターターをフィードする。
2. 100gのスターターと365gの水を混ぜ、よく溶けるまでかき混ぜる。
3. 500gの強力粉と10gの塩を加え、粉が見えなくなるまでよく混ぜる。
4. 1時間粉に水分を吸わせる。濡れ布巾やビーズワックスラップ、サランラップなどで蓋をしておく。
ストレッチ&フォールド
1. ストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行う。蓋をしておく。
2. 2回目のフォールドの際に、小さく切ったいちじくと細かく砕いた胡桃を加える。
2. 4回目のストレッチ&フォールド終えてから30分後、ボウルから生地を出し、ボール状に成型する。
3. 軽く小麦粉を振りかけ、キッチンタオルを被せて30分生地を休ませる。
4. バネトンに十分に小麦粉を振りかけておき、一次成型と同じ要領で、生地を一度ひっくり返し、二次成型する。
5. 表面を下にしてバネトンに入れ、濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせる。
ー 2日目 ー
焼成
1. オーブンを250℃に予熱する。蓋をしたダッチオーブンも一緒に入れて温める。
2. オーブンに入れる直前に生地を冷蔵庫から出し、スコアリングする。
3. 予熱しておいたダッチオーブンにオーブンペーパーごと生地を入れ、蓋をし、250℃で20分焼く。その後蓋を取り、オーブンの温度を200℃に下げて、さらに25分焼く。
4. 焼きあがったら、2時間ほど冷ましてからスライスする。
Notes
- 等分にする場合には、ピザストーンが必要です。オーブンと一緒に予熱しておきます。
- 焼く直前に等分し、オーブンペーバーに乗せ、オーブンペーパーごとピザストーンの上で30−35分焼きます。