パン型2つでサワードウを焼く方法
自宅でサワードウを焼きたいけれど、ダッチオーブンを持っていないという方にオススメなのが、パン型を2つ使って焼く方法。
レシピは、基本のサワードウ ブレッドと全く同じで、焼成の際にパン型に入れて焼きます。
以下のパンは全て同じレシピで作られています。




そもそもサワードウとは?
サワードウとは小麦粉と水だけを使って培養した天然酵母のサワードウ(サワー種)スターターのことを言います。小麦というのは酵素抑制物質やフィチン酸を含んでおり、体にミネラルを吸収するのを阻害しますし、それを長い間摂取し続けると胃腸に破綻をきたし、結果として近年よく言われるグルテンアレルギーなどということが発生してしまうのです。天然酵母を使い、小麦粉を長い時間かけて発酵させることで、酵素抑制物質やフィチン酸を分解し、私たちの体がグルテンを消化しやすいようにします。つまり、サワードウで作ったパンは小麦の栄養価を吸収しやすくし、小麦本来がもつマイナス要素を排他してくれます。また、長時間の発酵の過程で、ドライイーストで短時間に発酵させたパンには出せない、深みのある味を生み出してしてくれるのです。サワードウ は私たちにとってとても有益なものと言えます。
サワードウ スターターの作り方はこちらを参照下さい。
基本のサワードウ ブレッドは捏ねるとことはせず、ストレッチ&フォールドという手法を使います。それによりグルテンが作り出され、またサワードウ ブレッド特有のエアーポケットが生まれます。
成功のカギ
- 必ずアクティブなスターターを使用して下さい。サワードウ スターターのメンテナンス方法もご確認下さい。
- 生地の膨らみ具合や時間は、室温や、スターターの状況、お使いの小麦粉、また水分量によって変わってきます。
- スコアリングは包丁ではなく、ブレードを使ったほうが綺麗にできます。スコアリングは何度もやっているうちに上達します。
必要な道具
サワードウ ブレッドの作り方(基本のサワードウブレッドの作り方参照)
ー 1日目 ー
サワードウ スターターをフィードする
サワードウ ブレッドの材料を混ぜる4−12時間前に、サワードウ スターターをフィードします。アクティブで泡のたくさん出ているスターターを使用して下さい。
材料を混ぜる
スターターと水を混ぜ、よく溶けるまでかき混ぜます。その後強力粉と塩を加え、粉が見えなくなるまでよく混ぜます。この時点でバルク発酵(一次発酵)が始まります。ここから1時間オートリーズ法といって粉に水分を吸わせる時間を取ります。濡れ布巾やビーズワックスラップ、サランラップなどで蓋をしておきましょう。
ストレッチ&フォールド
ここから、ストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行なっていきます。バルク発酵の過程でも常に蓋をしておいて下さい。
ストレッチ&フォールドというのは、バルク発酵(一次発酵)の過程で行う手法です。生地の強度を上げ、グルテンを生成し、生地の温度を均一にし、内部に空気を閉じ込めます。また、ストレッチ&フォールドを行うことで、生地の発酵具合を手や目で確かめていくことが出来ます。
やり方は至って簡単です。生地を正方形と見なし、一辺を掴み、優しくひき伸ばしたら、反対の端に向かってたたみ込んでいきます。それを、残りの3辺で繰り返し、これを1セットとします。手を水で濡らしておくと、生地が手にくっつかずやり易いです。
このストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行います。
バルク発酵開始(サワードウスターターを加えた時間)から早くて5時間経っていれば一次発酵は完了です。生地が軽く、空気を得て見えているばOKです。倍とまではいかなくとも、生地が膨らんでいるはずです。
もし、全然膨らみや気泡などが見えなければ、さらに30分待ってみて下さい。室温によりますが、冬場のバルク発酵(一次発酵)は夏場に比べて、2時間以上かかることもあります。
プリシェーピング(一次成形)
一次発酵が完了したら、ボウルから生地を出し、ボール状に成形していきます。
ボウルから出す時には、まず生地の上に少し小麦粉を振っておき、スクレーパーを使って生地を中心に集めるようにしておきます。ボウルをひっくり返し、カウンターの上に出したら、手やスクレーパーを使って、自分の方に引き寄せながら、ボール状にしていきます。
ボール状にできたら、軽く小麦粉を振りかけ、キッチンタオルを被せて30分生地を休ませます。プリシェーピング(一次成型)とファイナル シェーピング(二次成形)の間の時間をベンチレストと言います。生地を休ませ、二次成形時に生地が破れたり切れないようにするものです。
ファイナル シェイプ(二次成形)
一次成形と同じ要領で、生地を一度ひっくり返し、成形します。
二次発酵 2方法
二次発酵には2方法あります。
1. バネトンで発酵させる
通常通り成形後表面を下にしてバネトンに入れ、濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせます。焼く直前に生地を冷蔵庫から出し、優しくパン型に移してから焼く方法。私はこの方法を用います。バネトンで二次発酵させる方が、パン生地の水分調整を上手にしてくれているのではという思いからです。
2. パン型で発酵させる
パン生地を成形する際に、パン型を用意します。パン型にバターを塗るか、もしくはオーブンペーパーを敷き、通常通り楕円形に成形し、表面を上にしてパン型に入れます。パン型のまま濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせます。冷蔵庫で一晩二次発酵させ、そのまま焼きます。
ー 2日目 ー
オーブンを250℃に予熱
スコアリング&焼成
オーブンに入れる直前に生地を冷蔵庫から出し、スコアリングします。クープとも呼ばれます。スコアリングとはブレードや包丁などを使って、焼成前にパンの表面に切れ目を入れておくことを言います。
バネトンで発酵させた場合には、オーブンペーパーを敷いた(もしくはバターを塗った)パン型に表面を上にして優しく生地を移し、ブレードや包丁で切れ目を入れていきます。焼成時にそこから生地が開いていきます。

パン型を2つ使ったサワードウの焼き方
サワードウ ブレッドをしっかりと膨らませて、パンの耳をカリカリに焼くには、焼くときに十分なスチームが必要になります。そのために、2つ目のパン型を重ねスチームを閉じ込めることで、ダッチオーブンを使わずにその効果だけ享受することができます。
パン型を重ねた状態で250℃で20分焼き、その後上のパン型を外し、230℃で20分ほど焼きます。
焼きあがったら、2時間ほど冷ましてからスライスして下さい。


その他のサワードウ レシピ
- 基本のサワードウ ブレッド
- サワードウ イングリッシュマフィン
- サワードウ サンドイッチブレッド
- サワードウ フォカッチャ
- サワードウ トルティーヤ
- サワードウ ベーグル
- サワードウ ブリオッシュ
- サワードウ チャバタ
- サワードウ ピタ
- ハラペーニョ チェダー サワードウ ブレッド
- サワードウ バゲット
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レシピカード

パン型を2つ使ってサワードウを焼く方法
自宅でサワードウを焼きたいけれど、ダッチオーブンを持っていないという方にオススメなのが、パン型を2つ使って焼く方法。
Ingredients
- 強力粉 420g
- サワードウ スターター 85g
- 水 300g
- 塩 8g
Instructions
ー 1日目 ー
1. サワードウ ブレッドの材料を混ぜる4−12時間前に、サワードウ スターターをフィードする。
2. スターターと水を混ぜ、よく溶けるまでかき混ぜる。
3. 強力粉と塩を加え、粉が見えなくなるまでよく混ぜる。
4. 1時間粉に水分を吸わせる。濡れ布巾やビーズワックスラップ、サランラップなどで蓋をしておく。
ストレッチ&フォールド
1. ストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行う。蓋をしておく。
2. バルク発酵を開始してから5時間ほど経ってから、ボウルから生地を出し、ボール状に成型する。
3. 軽く小麦粉を振りかけ、キッチンタオルを被せて30分生地を休ませる。
4. バネトンに十分に小麦粉を振りかけておき、一次成型と同じ要領で、生地を一度ひっくり返し、二次成型する。
5. 表面を下にしてバネトン、もしくは表面を上にしてオーブンペーパーを敷いたパン型に入れ、濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせる。
ー 2日目 ー
焼成
1. オーブンを250℃に予熱する。
2. オーブンに入れる直前に生地を冷蔵庫から出し、スコアリングする。
3. 予熱しておいたオーブンでパン型を重ねた状態で250℃で20分焼き、その後上のパン型を外し、230℃で20分ほど焼きます。
4. 焼きあがったら、2時間ほど冷ましてからスライスする。