サワードウ ブレッド焼き上がり

捏ね不要!基本のサワードウ ブレッドの作り方

外は噛みごたえたっぷり、中は軽いのにモチモチ。サワードウの独特の風味が一番味わえるのが、このサワードウブレッド です。半日かけて生地を混ぜ、翌日に焼く。時間はかかりますが、それだけの価値があるものです。

サワードウのある暮らしを初めて1年が過ぎたところで、まだまだサワードウ初心者の私ですから、サワードウブレッド に関してもトレーニング中です。特に最近小麦粉を変えてからは、1からレシピを見直さなければいけなかったり、やっと生地と焼き上がりの関係が分かり始めたり…。特には味だけでなく、その焼き上がりの美しさにもこだわりたくなるものですから、まだまだこれから極めていきたいものです。が、そうしていると一生レシピが掲げられないので、ここで一旦まとめようと思いました。

我が家ではLittle House on the Prairie シリーズ(大草原の小さな家)が好きで子供達に読み聞かせをしていますが、その中でもサワードウ ブレッドが登場します。ホームスクールの中でもサワードウの特徴や利点を教えたりして、ほとんど失われてしまったこの伝統が、子供達にも受け継がれることを願います。

これからサワードウを始められる方は、一回で完璧なパンが作れると思わないで下さい。うまくいかなくてがっかりすることもあるかもしれませんが、是非、その成長の過程を楽しんでいただきたいと思います。

Sourdough Bread Sliced

そもそもサワードウとは?

サワードウとは小麦粉と水だけを使って培養した天然酵母のサワードウ(サワー種)スターターのことを言います。小麦というのは酵素抑制物質やフィチン酸を含んでおり、体にミネラルを吸収するのを阻害しますし、それを長い間摂取し続けると胃腸に破綻をきたし、結果として近年よく言われるグルテンアレルギーなどということが発生してしまうのです。天然酵母を使い、小麦粉を長い時間かけて発酵させることで、酵素抑制物質やフィチン酸を分解し、私たちの体がグルテンを消化しやすいようにします。つまり、サワードウで作ったパンは小麦の栄養価を吸収しやすくし、小麦本来がもつマイナス要素を排他してくれます。また、長時間の発酵の過程で、ドライイーストで短時間に発酵させたパンには出せない、深みのある味を生み出してしてくれるのです。サワードウ は私たちにとってとても有益なものと言えます。

サワードウ スターターの作り方はこちらを参照下さい。

基本のサワードウ ブレッドは捏ねるとことはせず、ストレッチ&フォールドという手法を使います。それによりグルテンが作り出され、またサワードウ ブレッド特有のエアーポケットが生まれます。

成功のカギ

  • 必ずアクティブなスターターを使用して下さい。サワードウ スターターのメンテナンス方法もご確認下さい。
  • 作業中は、濡れタオル、ビーズワックスラップ、サランラップなどで多い、表面が乾燥しないように気をつけて下さい。
  • 生地の膨らみ具合や時間は、室温や、スターターの状況、お使いの小麦粉、また水分量によって変わってきます。
  • 慣れるまでは、キッチンスケールを使って材料を測られることをオススメします。
  • スコアリングは包丁ではなく、ブレードを使ったほうが綺麗にできます。スコアリングは何度もやっているうちに上達します。

必要な道具

サワードウ ブレッドの材料

  • 強力粉 500g
  • サワードウ スターター 100g
  • 水 320−350g
  • 塩 10g

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サワードウ ブレッドの作り方(時間はあくまで参考までに)

1日目 ー

9:00am:サワードウ スターターをフィードする

サワードウ ブレッドの材料を混ぜる4−12時間前に、サワードウ スターターをフィードします。アクティブで泡のたくさん出ているスターターを使用して下さい。

5:00pm:材料を混ぜる

100gのスターターと320gの水(この時点では全量の水を入れません)を混ぜ、よく溶けるまでかき混ぜます(手でも、ミキサーでもOK)。その後500gの強力粉と塩10gを加え、粉が見えなくなるまでよく混ぜます。この時点でバルク発酵(一次発酵)が始まります。ここから1時間オートリーズ法といって粉に水分を吸わせる時間を取ります。濡れ布巾やビーズワックスラップ、サランラップなどで蓋をしておきましょう。

Sourdough Bread Mixing Starter

5:30pm:必要に応じて残りの水を足す

最初にとっておいた残りの水を20gずつ必要に応じて足していきます。これは、お使いの小麦粉によって必要な水分量が異なるからです。水はオートリーズの後に足すことが出来ますが、引くことは出来ません。

この時点で、十分水分量が足りていると感じられれば、水を足す必要はありません。生地が硬いと感じられる場合のみ、水を足して下さい。経験から、石臼で挽いた小麦粉は水分を多く吸収しますので、水は少なめにして下さい。

Sourdough Bread Mixing Salt

6:00pm:ストレッチ&フォールド

ここから、ストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行なっていきます。バルク発酵の過程でも常に蓋をしておいて下さい。

ストレッチ&フォールドというのは、バルク発酵(一次発酵)の過程で行う手法です。生地の強度を上げ、グルテンを生成し、生地の温度を均一にし、内部に空気を閉じ込めます。また、ストレッチ&フォールドを行うことで、生地の発酵具合を手や目で確かめていくことが出来ます。

やり方は至って簡単です。生地を正方形と見なし、一辺を掴み、優しくひき伸ばしたら、反対の端に向かってたたみ込んでいきます。それを、残りの3辺で繰り返し、これを1セットとします。手を水で濡らしておくと、生地が手にくっつかずやり易いです。

このストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行います。

4回目のストレッチ&フォールド終えてから30分後、バルク発酵(一次発酵)は完了です。生地が軽く、空気を得て見えているばOKです。倍とまではいかなくとも、生地が膨らんでいるはずです。

もし、全然膨らみや気泡などが見えなければ、もう1度ストレッチ&フォールドを実施し、さらに30分待ってみて下さい。冬場の室温が低い時には、起こり得る状況です。2度ストレッチ&フォールドを追加する必要があっても大丈夫です。また、その後長めに生地を休ませ、膨らみを待ってみて下さい。冬場のバルク発酵(一次発酵)は夏場に比べて、1時間から1時間半長くかかるのが通常です。

ストレッチ&フォールド手法の代わりに、コイルフォールドという手法を使うことも可能です。効果は同じですが、私は、ストレッチ&フォールドを2−3回行い、最後の1−2回はコイルフォールドを行います。

8:00pm(もしくはそれ以降):プリシェーピング(一次成形)

ここで、バルク発酵(一次発酵)の完了です。

Sourdough Bread End of Bulk Fermentation

ボウルから生地を出し、ボール状に成形していきます。

ボウルから出す時には、まず生地の上に少し小麦粉を振っておき、スクレーパーを使って生地を中心に集めるようにしておきます。ボウルをひっくり返し、カウンターの上に出したら、手やスクレーパーを使って、自分の方に引き寄せながら、ボール状にしていきます。

シェーピングまだトレーニング中です。

ボール状にできたら、軽く小麦粉を振りかけ、キッチンタオルを被せて30分生地を休ませます。プリシェーピング(一次成型)とファイナル シェーピング(二次成形)の間の時間をベンチレストと言います。生地を休ませ、二次成形時に生地が破れたり切れないようにするものです。

8:30pm(もしくはそれ以降):ファイナル シェイプ(二次成形)

バネトンに十分に小麦粉を振りかけておきます。

一次成形と同じ要領で、生地を一度ひっくり返し、成形します。表面を下にしてバネトンに入れ、濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせます。これをコールド プルーフィングと言います。

バネトンが動いてやりづらい…

2日目 ー

9:00am:オーブンを250℃に予熱

オーブンを予熱する際に、蓋をしたダッチオーブンも一緒に入れて温めます。少なくとも30分以上はダッチオーブンを温めるようにして下さい。

9:30am:スコアリング&焼成

オーブンに入れる直前に生地を冷蔵庫から出し、スコアリングします。クープとも呼ばれます。スコアリングとはブレードや包丁などを使って、焼成前にパンの表面に切れ目を入れておくことを言います。

カウンターにオーブンペーパーを敷き、生地をひっくり返します。茶こしやふるいなどを使って、生地の表面に満遍なく小麦粉を振りかけます。そこにブレードや包丁で切れ目を入れていきます。焼成時にそこから生地が開いていきます。

予熱しておいたダッチオーブンにオーブンペーパーごと生地を入れ、蓋をし、250℃で20分焼きます。その後蓋を取り、オーブンの温度を200℃に下げて、さらに25分焼きます。

焼きあがったら、2時間ほど冷ましてからスライスして下さい。

Sourdough Bread Out of Oven

その他のサワードウを使ったパンレシピ

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サワードウ ブレッド焼き上がり

基本のサワードウ ブレッド

Yield: 1 loaf
Prep Time: 17 hours
Cook Time: 45 minutes
Total Time: 17 hours 45 minutes

外は噛みごたえたっぷり、中は軽いのにモチモチ。サワードウの独特の風味が一番味わえるのが、このサワードウブレッド です。半日かけて生地を混ぜ、翌日に焼く。時間はかかりますが、それだけの価値があるものです。

Ingredients

  • 強力粉 500g
  • サワードウ スターター 100g
  • 水 320−350g
  • 塩 10g

Instructions

ー 1日目 ー

1. サワードウ ブレッドの材料を混ぜる4−12時間前に、サワードウ スターターをフィードする。

2. 100gのスターターと320gの水(この時点では全量の水を入れません)を混ぜ、よく溶けるまでかき混ぜる。

3. 500gの強力粉と10gの塩を加え、粉が見えなくなるまでよく混ぜる。

4. 1時間粉に水分を吸わせる。濡れ布巾やビーズワックスラップ、サランラップなどで蓋をしておく。

5. 30分後、最初にとっておいた残りの水を20gずつ必要に応じて足していく。この時点で、十分水分量が足りていると感じられれば、水を足す必要はありません。生地が硬いと感じられる場合のみ、塩と一緒に水を足して下さい。

ストレッチ&フォールド

1. ストレッチ&フォールドを4セット、30分間隔で行う。蓋をしておく。

2. 4回目のストレッチ&フォールド終えてから30分後、ボウルから生地を出し、ボール状に成型する。

3. 軽く小麦粉を振りかけ、キッチンタオルを被せて30分生地を休ませる。

4. バネトンに十分に小麦粉を振りかけておき、一次成型と同じ要領で、生地を一度ひっくり返し、二次成型する。

5. 表面を下にしてバネトンに入れ、濡れ布巾、ビーズワックスラップ、サランラップなどを被せて、およそ12時間冷蔵庫で寝かせる。

ー 2日目 ー

焼成
1. オーブンを250℃に予熱する。蓋をしたダッチオーブンも一緒に入れて温める。

2. オーブンに入れる直前に生地を冷蔵庫から出し、スコアリングする。

3. 予熱しておいたダッチオーブンにオーブンペーパーごと生地を入れ、蓋をし、250℃で20分焼く。その後蓋を取り、オーブンの温度を200℃に下げて、さらに25分焼く。

4. 焼きあがったら、2時間ほど冷ましてからスライスする。

Notes

    • スターターはアクティブで泡のたくさん出ている物を使用して下さい。
    • 石臼で挽いた小麦粉は水分を多く吸収しますので、水は少なめにして下さい。
    • 4回目のストレッチ&フォールド終了後、全然膨らみや気泡などが見えなければ、もう1度ストレッチ&フォールドを実施し、さらに30分待ってみて下さい。冬場の室温が低い時には、起こり得る状況です。2度ストレッチ&フォールドを追加する必要があっても大丈夫です。また、その後長めに生地を休ませ、膨らみを待ってみて下さい。冬場のバルク発酵(一次発酵)は夏場に比べて、1時間から1時間半長くかかるのが通常です。
    • 少なくとも30分以上はダッチオーブンを温めるようにして下さい。

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3 Comments

  1. Ashbyです。思い切ってサワードウブレッド作りに取り掛かました。 ダッチオーブンも購入しました!

    Hiromiさんのインストラクションはとても分かり易いのですが、私のパソコンのせいなのか残念なことに参考ビデオがフリーズしやすく、Stretch & Fold の工程で 私の生地には膨張や気泡が見られなかったのです。もっと回数を増やすべきでしたか? (深夜になり眠くなったのでー笑ー)別の方たちのレシピもみていたところ、Proof (Second Rise)という工程を入れているレシピ見つけた(投稿者はYoutubeのインストラクションもあった)ので、Stretch & Foldの後、First Riseは室温でしてみたのですが18時間経過しても2倍にはなってくれず、生地はダラ~っと緩くなっていました。 布巾をボールに敷き、米粉を振りかけ なんとか生地を収め、これからSecond Riseとして24~48時間冷蔵庫で寝かせることで発酵が更に進んでくれることを願っています。
    https://alexandracooks.com/2017/10/24/artisan-sourdough-made-simple-sourdough-bread-demystified-a-beginners-guide-to-sourdough-baking/

    ※私は100%全粒粉にしています。
    何かお気づきの点がありましたらよろしくお願いします。

    1. メッセージありがとうございます!
      まず、こちらのレシピは薄力粉のみを使用しているもので、全粒粉100%とは全く状況が異なってしまいます・・・。私自身は全粒粉100%のレシピを載せていないので、他の方のレシピを参考にされるのが良いと思います。全粒粉の量が多ければ多いほど、生地は膨らみにくく扱いも難しくなります。
      以下、ご参考までに:
      https://www.theperfectloaf.com/100-whole-wheat-sourdough/

      Ashbyさんのご自宅の室温がどれくらいかわかりませんが、この時期、スターターを混ぜてから、first rise完了までは6時間も取れば十分と思います。Second riseは大体12時間くらいがオススメです。全粒粉100%ですと、とてもぎっしりと詰まったパンに仕上がります。

      これからは、スターターもどんどん熟成していって、上達あるのみです!
      この学びのプロセスをぜひ楽しんで下さい!!

  2. 全粒粉100%とは全く状況が異なる、、というのに上記投稿の後に気づいて色々調べていたところです。

    全粒粉のパンを何度か作っているので大丈夫かと思いましたが、サワードウビギナーで全粒粉100%は無謀でした。。(笑) 処女作は「上から」みればそこそこですが、ほとんど膨らんでいません。 味はとりあえずサワードウパンですが、モチっとしております。 でも、根気よく頑張ったと思います!   

    ・リンクをありがとうございます。 諦めず再挑戦します! 
    ・スターターの残りもパンケーキなどにして何度か焼いてみた後は、冷蔵庫に保管したものに再びフィードし、膨張(=成長)を見るのがなんだか日々の楽しみになってきて、ペット?が増えたような気持ちです。
    ・初心者向けというフォカッチャのレシピに気づきました。早速今日仕込んだので明日いよいよ焼くつもりです!
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    ※マメにお返事頂いて本当に感謝しています。 ありがとうございます。 また何かありましたらよろしくお願いします!

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